大谷翔平60HRへの挑戦 過去のHRダービー出場者の後半戦は?

 前半戦で33本塁打を放った大谷翔平(エンゼルス)のシーズン60本塁打への挑戦が注目されている。大谷は前半戦で打者としてチームの全試合の94%に出場し、このままいけば153試合のペース。現時点でちょうどシーズン60本塁打のペースなのだ。ホームラン・ダービー出場者が後半戦に成績を落とすというジンクスも注目されているが、過去のホームラン・ダービー出場者の成績は前半戦と後半戦でどのように変化したのだろうか。制限時間制が導入された2015年以降の出場者の成績を振り返ってみる。

◆2015年

トッド・フレイジャー(優勝)
【前半戦】85試合 打率.284 25本塁打 OPS.922
【後半戦】72試合 打率.220 10本塁打 OPS.664

ジョク・ピーダーソン(準優勝)
【前半戦】89試合 打率.230 20本塁打 OPS.851
【後半戦】62試合 打率.178 6本塁打 OPS.616

アルバート・プーホルス(ベスト4)
【前半戦】85試合 打率.255 26本塁打 OPS.855
【後半戦】72試合 打率.231 14本塁打 OPS.707

ジョシュ・ドナルドソン(ベスト4)
【前半戦】89試合 打率.293 21本塁打 OPS.884
【後半戦】69試合 打率.302 20本塁打 OPS1.011

クリス・ブライアント(1回戦敗退)
【前半戦】78試合 打率.269 12本塁打 OPS.848
【後半戦】73試合 打率.282 14本塁打 OPS.867

マニー・マチャド(1回戦敗退)
【前半戦】88試合 打率.298 19本塁打 OPS.886
【後半戦】74試合 打率.272 16本塁打 OPS.832

アンソニー・リゾー(1回戦敗退)
【前半戦】86試合 打率.298 16本塁打 OPS.955
【後半戦】74試合 打率.255 15本塁打 OPS.833

プリンス・フィルダー(1回戦敗退)
【前半戦】86試合 打率.339 14本塁打 OPS.924
【後半戦】72試合 打率.264 9本塁打 OPS.742

 ほとんどの選手が後半戦に打率やOPSを大きく悪化させるなか、後半戦に数字を伸ばしたドナルドソンはア・リーグMVP、ブライアントはナ・リーグ新人王に輝いた。

◆2016年

ジャンカルロ・スタントン(優勝)
【前半戦】76試合 打率.233 20本塁打 OPS.823
【後半戦】43試合 打率.254 7本塁打 OPS.800

トッド・フレイジャー(準優勝)
【前半戦】86試合 打率.213 25本塁打 OPS.782
【後半戦】72試合 打率.240 15本塁打 OPS.749

マーク・トランボ(ベスト4)
【前半戦】87試合 打率.288 28本塁打 OPS.924
【後半戦】72試合 打率.214 19本塁打 OPS.754

アダム・デュバル(ベスト4)
【前半戦】83試合 打率.249 23本塁打 OPS.839
【後半戦】67試合 打率.231 10本塁打 OPS.741

コリー・シーガー(1回戦敗退)
【前半戦】90試合 打率.297 17本塁打 OPS.879
【後半戦】67試合 打率.321 9本塁打 OPS.876

ロビンソン・カノー(1回戦敗退)
【前半戦】89試合 打率.313 21本塁打 OPS.923
【後半戦】72試合 打率.278 18本塁打 OPS.832

ウィル・マイヤーズ(1回戦敗退)
【前半戦】87試合 打率.286 19本塁打 OPS.873
【後半戦】70試合 打率.223 9本塁打 OPS.697

カルロス・ゴンザレス(1回戦敗退)
【前半戦】85試合 打率.318 19本塁打 OPS.924
【後半戦】65試合 打率.270 6本塁打 OPS.761

 優勝したスタントンは後半戦に左股関節を痛めて離脱。他の出場者も軒並み成績を悪化させたが、前半戦と同水準のOPSを維持したシーガーはナ・リーグ新人王を受賞した。

◆2017年

アーロン・ジャッジ(優勝)
【前半戦】84試合 打率.329 30本塁打 OPS1.139
【後半戦】71試合 打率.228 22本塁打 OPS.939

ミゲル・サノー(準優勝)
【前半戦】82試合 打率.276 21本塁打 OPS.906
【後半戦】32試合 打率.236 7本塁打 OPS.742

ゲーリー・サンチェス(ベスト4)
【前半戦】57試合 打率.276 13本塁打 OPS.850
【後半戦】65試合 打率.280 20本塁打 OPS.896

コディ・ベリンジャー(ベスト4)
【前半戦】70試合 打率.261 25本塁打 OPS.961
【後半戦】62試合 打率.274 14本塁打 OPS.901

ジャンカルロ・スタントン(1回戦敗退)
【前半戦】86試合 打率.277 26本塁打 OPS.933
【後半戦】73試合 打率.287 33本塁打 OPS1.095

マイク・ムスターカス(1回戦敗退)
【前半戦】78試合 打率.270 25本塁打 OPS.863
【後半戦】70試合 打率.275 13本塁打 OPS.798

チャーリー・ブラックモン(1回戦敗退)
【前半戦】89試合 打率.316 20本塁打 OPS.950
【後半戦】70試合 打率.350 17本塁打 OPS1.064

ジャスティン・ボーア(1回戦敗退)
【前半戦】77試合 打率.289 20本塁打 OPS.923
【後半戦】31試合 打率.290 5本塁打 OPS.849

 後半戦にOPSを上昇させたのは8人中3人。スタントンはナ・リーグMVPを受賞、ブラックモンは首位打者のタイトルを獲得し、サンチェスは実質メジャー2年目でシーズン30本塁打を突破した。

◆2018年

ブライス・ハーパー(優勝)
【前半戦】94試合 打率.214 23本塁打 OPS.833
【後半戦】65試合 打率.300 11本塁打 OPS.972

カイル・シュワーバー(準優勝)
【前半戦】83試合 打率.249 18本塁打 OPS.873
【後半戦】54試合 打率.221 8本塁打 OPS.740

リーズ・ホスキンス(ベスト4)
【前半戦】86試合 打率.252 14本塁打 OPS.820
【後半戦】67試合 打率.237 20本塁打 OPS.888

マックス・マンシー(ベスト4)
【前半戦】74試合 打率.271 22本塁打 OPS1.013
【後半戦】63試合 打率.253 13本塁打 OPS.919

ヘスス・アギラー(1回戦敗退)
【前半戦】87試合 打率.298 24本塁打 OPS.995
【後半戦】62試合 打率.245 11本塁打 OPS.760

アレックス・ブレグマン(1回戦敗退)
【前半戦】96試合 打率.288 20本塁打 OPS.928
【後半戦】61試合 打率.283 11本塁打 OPS.922

ハビアー・バイエズ(1回戦敗退)
【前半戦】91試合 打率.292 19本塁打 OPS.892
【後半戦】69試合 打率.289 15本塁打 OPS.866

フレディ・フリーマン(1回戦敗退)
【前半戦】94試合 打率.315 16本塁打 OPS.938
【後半戦】68試合 打率.301 7本塁打 OPS.827

 優勝したハーパーは後半戦に打率とOPSを大きく上昇させ、ホスキンスも本塁打を増やしてOPSアップ。他の6人はOPSを悪化させたが、ブレグマンとバイエズは前半戦とほぼ同水準の成績を維持した。

◆2019年

ピート・アロンゾ(優勝)
【前半戦】89試合 打率.280 30本塁打 OPS1.006
【後半戦】72試合 打率.235 23本塁打 OPS.863

ブラディミール・ゲレーロJr.(準優勝)
【前半戦】61試合 打率.249 8本塁打 OPS.741
【後半戦】62試合 打率.293 7本塁打 OPS.800

ジョク・ピーダーソン(ベスト4)
【前半戦】82試合 打率.239 20本塁打 OPS.855
【後半戦】67試合 打率.262 16本塁打 OPS.906

ロナルド・アクーニャJr.(ベスト4)
【前半戦】90試合 打率.292 21本塁打 OPS.882
【後半戦】66試合 打率.263 20本塁打 OPS.884

マット・チャップマン(1回戦敗退)
【前半戦】89試合 打率.268 21本塁打 OPS.890
【後半戦】67試合 打率.222 15本塁打 OPS.789

アレックス・ブレグマン(1回戦敗退)
【前半戦】88試合 打率.265 23本塁打 OPS.926
【後半戦】68試合 打率.338 18本塁打 OPS1.134

ジョシュ・ベル(1回戦敗退)
【前半戦】88試合 打率.302 27本塁打 OPS1.024
【後半戦】55試合 打率.233 10本塁打 OPS.780

カルロス・サンタナ(1回戦敗退)
【前半戦】87試合 打率.297 19本塁打 OPS.958
【後半戦】71試合 打率.262 15本塁打 OPS.855

 優勝したアロンゾのほか、チャップマン、ベル、サンタナは後半戦にOPSを100ポイント以上悪化させているが、残りの4人は後半戦にOPSがアップ。特にブレグマンは後半戦の大活躍でMVP投票2位となった。

◆おわりに

 前半戦と比較して後半戦に成績を大きく落とした選手は確かに多いものの、「ホームラン・ダービーに出場した選手は確実に成績を悪化させる」と言い切れるほどではないのも事実。ホームラン・ダービーに出場したうえで後半戦に成績を伸ばした選手はアウォードを受賞したり、タイトルを獲得したりするケースが多く、大谷にも「ジンクス」に負けない活躍を期待したいところだ。

引用元 :mlb.jp photo – MLB Advanced Media

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この記事を書いた人

神戸出身。2001年、地元オリックスのスーパースターであるイチローのマリナーズ移籍をきっかけに本格的にMLBに興味を持つ。2016年に完全オリジナルのMLB選手名鑑を自費出版し、同年からライター業をスタート。現在はウェブや雑誌でMLBの記事を執筆する傍らSPOZONEのMLB中継で解説も務める。

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