レイズ流のチーム作り 「スターを育てるだけでは勝てない」「選手層の厚さも重要」

 球団新記録のシーズン100勝をマークし、2年連続でリーグ最高勝率を記録したレイズは、今季61人の選手を起用し、それぞれの選手の能力を最大限に活用した。地区優勝を決めたあとのシャンパンファイトでは、「ZOOM」を使ってスクリーンにAAA級ダーラムのクラブハウスの様子を映し出し、2か所同時に祝勝会がスタート。これはエリック・ニアンダー編成本部長が提案し、クラブハウスのマネージャーたちが実行に移したアイディアだったが、その光景には「チームワークで勝ち取った優勝」という選手たちの思いが表れていた。

 レイズが今季起用した61選手は球団史上最多。このなかには38人の投手、18人のルーキーが含まれる。リーグ1位の防御率3.67を誇る投手陣は、規定投球回に到達した投手が1人もいない一方で、23人が1勝以上、14人が1セーブ以上を記録。主力投手を移籍や故障で失いながらも、層の厚さを武器に強力投手陣を形成した。また、打線は162試合で158通りのラインナップを採用。その打線はリーグ2位の857得点、同3位の222本塁打を記録した。

 これがレイズのやり方である。要するにスターを育てるだけでなく、「選手層の厚さも重要だ」と考えているのだ。「勝つためには両方が必要だ。どちらか一方だけでは勝てない」とニアンダー。だからこそ、1人のスーパースターに大金を投じるようなことはしない。

 インディアンスのテリー・フランコーナ監督が7月のダブルヘッダーのときに「彼らの投手陣は12人ではない。17~18人の投手がいる」と語ったように、レイズにはアクティブ・ロースターの26人以外にもメジャーレベルの実力を持った選手が多くいる。だからこそ、主力を移籍や故障で失っても戦力をダウンさせることなく、レッドソックスやヤンキースと対等以上に戦えるチームを維持できるというわけだ。

 ケビン・キアマイアーはチームメイトについて「(球団が)どこで見つけてきたのかわからない選手も多いけど、いてくれて嬉しい選手ばかりだよ」と語る。スカウト部門の努力により、他球団で埋もれている才能を発掘し、自軍の戦力に変えていく。これを繰り返すことで「コスパ最強」の強豪チームが完成していく。

 ケビン・キャッシュ監督は「チーム内の1番目から5番目の選手だけで成り立っているようなチームもあるけど、我々は35番目や40番目の選手も大切だと考えている」と誇らしげに話す。分厚い選手層のなかからポストシーズンのロースターに選ばれる26人の選手たちは、チームの代表として素晴らしいプレーを見せてくれるに違いない。

引用元 :mlb.jp photo – MLB Advanced Media

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この記事を書いた人

神戸出身。2001年、地元オリックスのスーパースターであるイチローのマリナーズ移籍をきっかけに本格的にMLBに興味を持つ。2016年に完全オリジナルのMLB選手名鑑を自費出版したことがきっかけでMLBライターに。2021年にはSPOZONE(現SPOTVNOW)で解説者デビュー。Twitter:@y_MuLB

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