クオリファイングオファーの状況を整理 エンゼルスは来年のドラフトで2巡目指名権を喪失

 ロックアウトにより動きがストップしている今オフの移籍市場だが、クオリファイングオファーを提示された14選手のうち9選手がすでに来季の所属チームを決めている。ブランドン・ベルトは同オファーを受諾してジャイアンツに残留し、ライセル・イグレシアス(エンゼルス)、クリス・テイラー(ドジャース)、ジャスティン・バーランダー(アストロズ)の3人は元所属球団と再契約。残りの5選手は別の球団へ移籍したため、これに伴うドラフト指名権の補償と喪失が発生している。ここではその状況を整理しよう。

 提示されたクオリファイングオファーを拒否して他球団と契約したのはコリー・シーガー(ドジャース→レンジャーズ)、マーカス・セミエン(ブルージェイズ→レンジャーズ)、ロビー・レイ(ブルージェイズ→マリナーズ)、エドゥアルド・ロドリゲス(レッドソックス→タイガース)、そしてノア・シンダーガード(メッツ→エンゼルス)の5選手だ。

 まず、選手が流出したドジャース、ブルージェイズ、レッドソックス、メッツの4球団について見ていく。ブルージェイズ、レッドソックス、メッツの3球団は収益分配金を受け取っておらず、ぜいたく税も支払っていないため、2巡目と3巡目のあいだに行われる「戦力均衡ラウンドB」のあとに補償指名権を得る(ブルージェイズは2つ)。ドジャースはぜいたく税の対象となる年俸総額の上限をオーバーしているため、与えられる補償指名権は4巡目のあとになる。

 次に、選手を獲得したレンジャーズ、マリナーズ、タイガース、エンゼルスについて見ていく。マリナーズとタイガースは収益分配金を受け取る側の球団であり、クオリファイングオファー選手の獲得に伴うペナルティは「3番目に高い順位の指名権の喪失」となる。一方、レンジャーズとエンゼルスは収益分配金を受け取っておらず、ぜいたく税も支払っていないため、ペナルティは「2番目に高い順位の指名権の喪失」となる(さらに国際ボーナスプール50万ドルも失う)。ただし、レンジャーズはシーガーとセミエンを獲得したため、2番目と3番目に高い順位の指名権を失うことになる。

 シンダーガード以外の4選手はいずれも5年以上の長期契約を結んだが、エンゼルスはシンダーガードとの1年契約と引き換えにドラフト2巡目指名権を手放した。今回の契約は「シンダーガードをドラフト2巡目指名に相当する若手有望株とのトレードで獲得した」と考えることもできるが、年俸2100万ドルという大金を投じていることも事実であり、シンダーガードが復活できなかった場合のダメージは大きい。仮に来季エンゼルスが低迷したとしても、シンダーガードさえ活躍すれば、シンダーガードをシーズン途中にトレードすることで若手有望株を補充することも可能なだけに、エンゼルスにとってシンダーガードの働きは大きなポイントとなるだろう。

 なお、カルロス・コレア、フレディ・フリーマン、トレバー・ストーリー、ニック・カステヤーノス、マイケル・コンフォートの5選手がまだ市場に残っている。

引用元 :mlb.jp photo – MLB Advanced Media

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この記事を書いた人

神戸出身。2001年、地元オリックスのスーパースターであるイチローのマリナーズ移籍をきっかけに本格的にMLBに興味を持つ。2016年に完全オリジナルのMLB選手名鑑を自費出版したことがきっかけでMLBライターに。2021年にはSPOZONE(現SPOTVNOW)で解説者デビュー。Twitter:@y_MuLB

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