注目の殿堂入り投票 現時点で判明分の得票率トップは通算541本塁打の強打者・オルティス

 今回(2022年度)のアメリカ野球殿堂入り投票はバリー・ボンズ、ロジャー・クレメンス、カート・シリング、サミー・ソーサの4人がラストイヤーを迎えるため、「ステロイド時代の総決算」という意味を持つ投票として大きな注目を集めている。記者投票は年内いっぱいで締め切られるが、すでに投票を終えて投票先を公開している記者もおり、現時点で匿名3人を含む記者53人分の投票先が判明。有資格初年度のデービッド・オルティスが記者45人から票を獲得し、得票率84.9%でトップに立っている。

 殿堂入りには得票率75%以上が必要だが、現時点で75%以上の得票率を記録しているのはオルティス(84.9%)、ボンズ(77.4%)、クレメンス(77.4%)の3人。5度目の挑戦となるスコット・ローレンが73.6%で当選ラインに肉薄している一方、前回、前々回と2回連続で得票率70%以上を記録したシリングは69.8%にとどまっている。トッド・ヘルトン(56.6%)、ビリー・ワグナー(52.8%)、アンドリュー・ジョーンズ(50.9%)も過半数の支持を集めているが、有資格初年度のアレックス・ロドリゲスは49.1%と支持が伸びず、前々回に52.6%を記録したオマー・ビスケルはDV問題やセクハラ問題の影響で11.3%と大幅に支持を失っている。

 レッドソックスの主砲として活躍したオルティスは、通算2408試合に出場して2472安打、632二塁打、541本塁打、1768打点、OPS.931、オールスター・ゲーム選出10回、シルバースラッガー賞7回、本塁打王1回、打点王3回と実績は文句なし。「バンビーノの呪い」に苦しんでいたレッドソックスを呪いから解放し、2004年、2007年、2013年と3度のワールドシリーズ制覇に導いた点も高く評価されている。2004年のリーグ優勝決定シリーズと2013年のワールドシリーズでMVPに選出されるなど、ポストシーズン通算85試合で17本塁打、61打点、OPS.947の好成績を残している。

 ただし、ほぼDH専任でキャリアを過ごしたため、データサイト「ベースボール・リファレンス」が算出する通算WARは55.3に過ぎない。「史上最高のDH」として最優秀指名打者賞にも名前を残すエドガー・マルティネスはオルティスを上回る68.4を記録したにもかかわらず、殿堂入りに10年を要したため、「オルティスが有資格初年度で殿堂入りするのは過大評価ではないか」との声があるのも事実だ。また、2003年にステロイド使用が報じられたことがあるものの、その陽性者リスト自体の信用性が低く、メジャーリーグ機構でさえ「あの報告書に基づいてオルティスをステロイド使用者と見なすべきではない」との声明を出しており、ステロイド問題はオルティスの得票率にほとんど影響を与えないと考えられている。

 ほぼDH専任だったためWARは低いものの、記録にも記憶にも残る活躍を見せ、「ボストンの英雄」となったオルティス。このまま75%以上の得票率を維持し、有資格初年度でクーパーズタウンに迎えられることになるのだろうか。

引用元 :mlb.jp photo – MLB Advanced Media

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この記事を書いた人

神戸出身。2001年、地元オリックスのスーパースターであるイチローのマリナーズ移籍をきっかけに本格的にMLBに興味を持つ。2016年に完全オリジナルのMLB選手名鑑を自費出版したことがきっかけでMLBライターに。2021年にはSPOZONE(現SPOTVNOW)で解説者デビュー。Twitter:@y_MuLB

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