1987年ナ・リーグのサイ・ヤング賞を再投票 実際の受賞者はトップ5圏外という結果に

 過去35年間でサイ・ヤング賞を受賞したリリーフ投手は4人しかいない。1987年ナ・リーグのスティーブ・ベドロージアン、1989年ナ・リーグのマーク・デービス、1992年ア・リーグのデニス・エカーズリー、そして2003年ナ・リーグのエリック・ガニエという顔ぶれである。メジャーリーグ公式サイトでは、1位と2位がわずか2ポイント差という大接戦だった1987年ナ・リーグのサイ・ヤング賞について、現在の評価基準に基づく再投票を実施。実際の受賞者であるベドロージアンがトップ5から漏れるという結果になった。

 今回の再投票にはメジャーリーグ公式サイトのライター14人が参加。1987年ナ・リーグのサイ・ヤング賞投票でポイントを獲得した8人の投手が投票対象となり、各ライターは1位から8位まで順位付けすることを求められた。それを1位8ポイント、2位7ポイント、といった具合に集計。その結果が以下の通りである。

◆実際の投票結果
1位 スティーブ・ベドロージアン
2位 リック・サトクリフ
3位 リック・ラッシェル
4位 オーレル・ハーシュハイザー
5位 ドワイト・グッデン/ノーラン・ライアン

◆再投票の結果
1位 ノーラン・ライアン
2位 オーレル・ハーシュハイザー
3位 ボブ・ウェルチ
4位 マイク・スコット
5位 リック・ラッシェル

 65試合に登板して5勝3敗40セーブ、防御率2.83をマークし、リリーフ投手ながらサイ・ヤング賞を受賞したベドロージアンは、今回の再投票では1位票を1つも獲得できず、総ポイントでも7位に終わった。当時、まだWARという指標は存在していなかったが、データサイト「ベースボール・リファレンス」が算出するWARは2.3に過ぎず、これはサイ・ヤング賞受賞者としては歴代ワーストの数字。おそらく現在の評価基準ではサイ・ヤング賞の候補にすらならないだろう。

 今回の再投票で1位になったのは、伝説の名投手・ライアンだった。実際のサイ・ヤング賞では1位票を1つも獲得できず、グッデンと同ポイントの5位タイに終わったものの、この年は8勝16敗ながら防御率2.76、270奪三振の好成績で防御率と奪三振の二冠を獲得。今回の再投票ではライター14人のうち8人がライアンに1位票を投じ、合計98ポイントのライアンが95ポイントのハーシュハイザーを破るという結果になった。

 ライアンに次ぐ2位となったハーシュハイザーは、リーグ最多の264回2/3を投げたことが高く評価された。この年は16勝16敗、防御率3.06、190奪三振を記録。翌1988年にはメジャー新記録となる59イニング連続無失点をマークするなど、23勝8敗、防御率2.26というキャリアハイの成績を残し、見事サイ・ヤング賞に輝いた。

 実際の投票でわずか3ポイントしか獲得できず8位に終わったウェルチは、リーグトップのWAR(7.1)を記録したことが評価され、再投票では3位に急浮上。リーグ最多の36試合に先発し、ライアンに次ぐリーグ2位の233奪三振をマークしたスコットも、7位から4位へ大幅ランクアップとなった。

 勝ち星やセーブ数が以前ほど重要視されなくなった現在において、今回の再投票の結果は決して驚くべきものではないだろう。通算324勝、5714奪三振という素晴らしい成績を残しながらも、サイ・ヤング賞を1度も受賞できなかったライアンだが、現在のような評価基準でサイ・ヤング賞の投票が行われていたら、受賞のチャンスは何度もあったのかもしれない。

引用元 :mlb.jp photo – MLB Advanced Media

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

神戸出身。2001年、地元オリックスのスーパースターであるイチローのマリナーズ移籍をきっかけに本格的にMLBに興味を持つ。2016年に完全オリジナルのMLB選手名鑑を自費出版したことがきっかけでMLBライターに。2021年にはSPOZONE(現SPOTVNOW)で解説者デビュー。Twitter:@y_MuLB

目次
閉じる