サイ・ヤング賞“実質3度”の名投手、ヨハン・サンタナは今後の時代委員会の選考で殿堂入りできるのか

 今オフ、ツインズから2人の殿堂入り選手が誕生した。トニー・オリーバとジム・カートだ。両者とも記者投票では有資格期間の15年(現在は10年)を完走した末に落選となったものの、時代委員会で復活当選。この2人と同様に、時代委員会での選出が期待されているのがサイ・ヤング賞2度の左腕ヨハン・サンタナだ。全盛期にはメジャー最高の投手として君臨したサンタナだが、故障により短命に終わり、通算成績は139勝78敗、防御率3.20、1988奪三振。殿堂入り投票では得票率2.4%に終わり、有資格初年度で姿を消した。

 サンタナはツインズの先輩2人の殿堂入りを「彼らの殿堂入りをとても嬉しく思う。とても長い年月を経て、生きているあいだに殿堂入りの機会を得た。彼らはそれに値する人物だ」と祝福。自身の将来的な殿堂入りについては「僕はツインズで白星を重ねた。僕が知っていることはそれだけだ。僕はそれを誇りに思っているし、殿堂入りの機会があれば素晴らしいと思う。もし殿堂入りできなかったとしても、それは僕にどうこうできることではない」と語った。

 サンタナのキャリアは25年間のメジャー生活で通算283勝を積み上げたカートとは対照的だ。故障により通算2025回2/3しか投げられず、200勝や2000奪三振といったマイルストーンには届いていない。メジャー最終登板はメッツ時代の2012年8月17日、まだ33歳のときだった。しかし、2004年から5年連続でサイ・ヤング賞投票のトップ5にランクインし、2004年と2006年に同賞を受賞。2006年には投手三冠も達成した。

 2度のサイ・ヤング賞に挟まれた2005年シーズンは「サンタナがサイ・ヤング賞を受賞すべきだった」との声が非常に多い。サンタナは1位票を3つしか獲得できず、バートロ・コローンとマリアーノ・リベラに次ぐ3位に終わったが、勝利数(サンタナ16、コローン21)以外の部門ではサンタナが受賞者のコローンを上回っていたからだ(防御率2.87対3.48、奪三振238対157、WAR7.2対4.0)。

 もしサンタナが2005年も受賞していたら、サンタナは史上10人しかいない「サイ・ヤング賞3度以上」の仲間入りを果たしていた。この10人のうち、現役のクレイトン・カーショウとマックス・シャーザーを除くと、殿堂入りしていないのはステロイド問題に揺れるロジャー・クレメンスだけ。「サイ・ヤング賞3度」という実績があれば、殿堂入り投票の初年度で姿を消すこともなかったかもしれない。サンタナが今後の時代委員会で選出されるかどうかは「実質3度のサイ・ヤング賞」という実績がどう評価されるか次第だろう。

 サンタナ自身は「2005年についてよく聞かれるけど、サイ・ヤング賞に値するかどうかと、サイ・ヤング賞を受賞したかどうかは別問題だ。僕は2位にすら入れなかった。僕は3位だったんだから、2位の人に聞くべきじゃないかな」と意に介していない様子。とはいえ、もし3度受賞できていたら、と考えずにはいられない。

引用元 :mlb.jp photo – MLB Advanced Media

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この記事を書いた人

神戸出身。2001年、地元オリックスのスーパースターであるイチローのマリナーズ移籍をきっかけに本格的にMLBに興味を持つ。2016年に完全オリジナルのMLB選手名鑑を自費出版したことがきっかけでMLBライターに。2021年にはSPOZONE(現SPOTVNOW)で解説者デビュー。Twitter:@y_MuLB

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