コレア獲得のためにヤンキースとの大型トレードを利用 ツインズのフロントオフィスの見事な手腕

 今オフのFA市場の目玉と言われながらもなかなか契約が決まらなかったカルロス・コレアを手に入れたのは、誰もが予想しなかったチームだった。日本時間3月19日、ツインズがコレアと3年1億530万ドルの契約を結ぶことで合意したことが報じられたのだ。ツインズがコレア獲得の資金を捻出できたのは、ヤンキースとのトレードでジョシュ・ドナルドソンの残り2年5000万ドルを丸ごと引き取ってもらうことに成功したから。言ってみれば、ツインズはコレア獲得のためにヤンキースを上手く利用したことになる。

 ツインズは日本時間3月14日にヤンキースとの大型トレードを成立させ、ゲーリー・サンチェスとジオ・ウルシェラを獲得。控え捕手のベン・ロートベット、前日にレンジャーズから獲得したばかりだったアイザイア・カイナーファレファ、そして2年5000万ドル分の契約を残していたドナルドソンを放出し、さらなる戦力補強のための資金捻出に成功した。この時点でツインズの戦力補強はまだ十分でなく、「遊撃手と投手の補強が必要だ」との声が上がっていた。

 しかし、いくら補強資金の捻出に成功したとはいえ、ツインズのコレア獲得を予想する者はいなかった。実際、ツインズが正遊撃手として獲得を目指したのはトレバー・ストーリーだったと言われている。ところが、コレアよりもストーリーのほうが競合相手が多く、それに伴ってストーリーの価格も上昇。そこで、ツインズのフロントオフィスは、毎年シーズン終了後にオプトアウトの権利をつけるという荒業でコレアとの3年契約をまとめ上げた。こうして誰もが予想しなかったツインズのコレア獲得が実現したというわけだ。

 ツインズは将来の正遊撃手候補として2017年ドラフト全体1位指名のロイス・ルイスが控えており、コレアが3年契約を全うすることなくオプトアウトで退団したとしても、それほどダメージは大きくない。このあたりのチーム事情はヤンキースも同様であり、トップ・プロスペクトのアンソニー・ボルピーが将来の正遊撃手候補として期待されている。3年契約で獲得できるのであれば、ヤンキースもコレアが欲しかったのではないだろうか。

 コレアが市場から消えたことにより、オフシーズン開始時に「遊撃手ビッグ5」と言われていた5人のうち、まだ市場に残っているのはストーリーだけとなった。そして今、ストーリー獲得の有力候補に挙げられているのは、コレア獲得のためにツインズに利用されたヤンキースである。

引用元 :mlb.jp photo – MLB Advanced Media

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この記事を書いた人

神戸出身。2001年、地元オリックスのスーパースターであるイチローのマリナーズ移籍をきっかけに本格的にMLBに興味を持つ。2016年に完全オリジナルのMLB選手名鑑を自費出版したことがきっかけでMLBライターに。2021年にはSPOZONE(現SPOTVNOW)で解説者デビュー。Twitter:@y_MuLB

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