各球団のトップ・プロスペクトの開幕ロースター入りが続々決定 労使協定の新ルール効果か

「MLBパイプライン」のプロスペクト・ランキングで全体3位のフリオ・ロドリゲス(マリナーズ)と同4位のスペンサー・トーケルソン(タイガース)を筆頭に、各球団のトップ・プロスペクトたちが続々と開幕ロースター入りを決めている。これまでは調停権やFA権の取得を遅らせるためにプロスペクトのメジャー昇格を意図的に遅らせる球団が多かったが、今季は過去に例を見ないほど各球団が積極的にプロスペクトを抜擢している。この背景には今回の労使協定で決められた新ルールが影響しているとみられる。

 メジャーリーグ公式サイトによると、プロスペクト・ランキング全体100位以内の選手のうち、現地時間4月4日の夜の時点で開幕ロースター入りが正式に発表されたのは8人。前述のロドリゲスとトーケルソンのほか、全体21位のリード・デトマーズ(エンゼルス)、同22位のハンター・グリーン(レッズ)、同31位のジョーイ・バート(ジャイアンツ)、同42位のニック・ロドロ(レッズ)、同97位のジョー・ライアン(ツインズ)、同98位のマット・ブラッシュ(マリナーズ)が開幕メジャーを勝ち取った。

 さらに、全体1位のボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ)や同9位のCJ・エイブラムス(パドレス)、同45位のブライソン・ストット(フィリーズ)らも開幕メジャーに向けてアピールを続けている。過去2シーズンは開幕ロースター入りを果たした全体100位以内のプロスペクトが各2人しかおらず、すでに8人の開幕ロースター入りが決まっているのは驚くべきことだ。

 これには労使協定の新ルールが影響している可能性が高い。まず、新人王投票で2位以内の選手には、今季から実際のサービスタイムに関係なく1年分のサービスタイムが保証されることになった。要するに、新人王レースに絡みそうな有力新人の昇格を意図的に遅らせることは無意味になったというわけだ。また、プロスペクトが新人王投票3位以内またはMVP投票とサイ・ヤング賞投票で5位以内に入った場合、その選手が所属する球団には追加のドラフト指名権が与えられる。プロスペクトを積極的に起用するインセンティブが生まれたのだ。

 これらの新ルールにより、ポストシーズン進出を狙う球団が即戦力のプロスペクトを積極的に起用する流れが生まれている。少なくとも現時点では、サービスタイム操作を抑制するための新ルールは成功していると言えそうだ。

引用元 :mlb.jp photo – MLB Advanced Media

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この記事を書いた人

神戸出身。2001年、地元オリックスのスーパースターであるイチローのマリナーズ移籍をきっかけに本格的にMLBに興味を持つ。2016年に完全オリジナルのMLB選手名鑑を自費出版したことがきっかけでMLBライターに。2021年にはSPOZONE(現SPOTVNOW)で解説者デビュー。Twitter:@y_MuLB

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