ブリュワーズがトレードで獲得したばかりのラメットのDFAを発表 2020年サイ・ヤング賞投票4位

 ブリュワーズは守護神ジョシュ・ヘイダーとのトレードでパドレスからテイラー・ロジャース、ディネルソン・ラメット、エステウリー・ルイーズ、ロバート・ガッサーの4選手を獲得したが、日本時間8月4日にラメットのDFAを発表した。ラメットは短縮シーズンとなった2020年にリーグ3位の防御率2.09をマークし、サイ・ヤング賞投票4位にランクインした投手だが、それ以降は故障もあって低迷。ブリュワーズにとって、トレードのバランスをとるためのピースに過ぎなかったようだ。

 ブリュワーズはコービン・バーンズ、ウィリー・ペラルタといった粗削りな投手たちを育成し、一線級の投手に育て上げてきた実績がある。ラメットも同様のプロジェクトに加わることが予想されていたが、ブリュワーズのデービッド・スターンズ編成本部長は「ディネルソンはいい腕を持っており、取引のバランスをとるためにトレードに組み込まれた。その後のトランザクションのなかで、彼をロースターにフィットさせるのが少し難しくなってきた。彼をキープできることを望んでいる」と語った。

 もしラメットの獲得を希望する球団がなく、ウエーバーを通過した場合、ブリュワーズはラメットをマイナーに降格させることができるものの、メジャー登録日数が3年を超えているラメットはそれを拒否する権利を持っている。よって、ブリュワーズのマイナーに残るのではなく、フリーエージェントになることを選択する可能性もある。

 スターンズ編成本部長が言う「バランス」とは、トレードに含まれた選手の「年俸のバランス」を指しているとみられる。ヘイダーの年俸が1100万ドルであるのに対し、ブリュワーズが獲得したロジャースの年俸は730万ドル。ここに年俸478万ドルのラメットを加えることで、トレードに含まれる選手の「年俸のバランス」をとったというわけだ。

 ブリュワーズはラメット獲得後、レンジャーズからマット・ブッシュを獲得し、故障していたペラルタが戦列復帰するという動きがあった。このため、トレードの時点では戦力構想に組み込まれていたラメットの居場所がなくなったとみられる。

 クレイグ・カウンセル監督は「見てほしい。今日、我々は難しい決断をしなければならなかった。ロースターにおける投手の枠は13人だ。その制限が選択を困難にした。結局、ラメットとは別の道を進むことになったんだ」とコメント。今季は13試合に登板して防御率9.49と不振を極めているラメットだが、フリーエージェントになった際には獲得に興味を示す球団は少なくないはずだ。

引用元 :mlb.jp photo – MLB Advanced Media

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この記事を書いた人

神戸出身。2001年、地元オリックスのスーパースターであるイチローのマリナーズ移籍をきっかけに本格的にMLBに興味を持つ。2016年に完全オリジナルのMLB選手名鑑を自費出版したことがきっかけでMLBライターに。2021年にはSPOZONE(現SPOTVNOW)で解説者デビュー。Twitter:@y_MuLB

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