カージナルス・ゴールドシュミット 打点トップ浮上で三冠王に現実味 リーグ85年ぶり快挙なるか

アメリカン・リーグのMVP最有力候補と言われるアーロン・ジャッジ(ヤンキース)はシーズン61本塁打のリーグ記録更新が期待されているが、ナショナル・リーグのMVP最有力候補であるポール・ゴールドシュミット(カージナルス)も大記録に挑戦している。ナ・リーグでは1937年のジョー・メドウィック(カージナルス)以来85年ぶりとなる三冠王だ。打率1位のゴールドシュミットは日本時間8月26日のカブス戦で5打点を稼ぎ、打点もリーグ1位に浮上。本塁打はトップに2本差の2位につけている。
ゴールドシュミットは三冠王を獲得する可能性について「そのようなことが起きるとしたら、それは奇跡だろう。実現すれば素晴らしいことだけれど、それを目標にするのは誰にとってもクレイジーなことだよ」とコメント。しかし、メジャーに定着した2012年から昨季までの10シーズンで打率3割を4度、30本塁打を6度、100打点を3度マークしているゴールドシュミットが今季、自己最高のシーズンを過ごしていることを考えれば、三冠王を期待する声が出てくるのは決して不思議なことではない。
日本時間8月26日の試合が終了した時点でのナ・リーグの打撃3部門のトップ3は以下の通り。
◆打率
ゴールドシュミット .339
フレディ・フリーマン(ドジャース).326
ジェフ・マクニール(メッツ).320
◆本塁打
カイル・シュワーバー(フィリーズ)35
ゴールドシュミット 33
ピート・アロンソ(メッツ)31
オースティン・ライリー(ブレーブス)31
◆打点
ゴールドシュミット 105
アロンソ 104
マット・オルソン(ブレーブス)87
ゴールドシュミットは今月、22試合に出場して打率.383、9本塁打、27打点と絶好調。それに対して、6月に12本塁打、7月に10本塁打を量産したシュワーバーは今月、19試合に出場して打率.262、2本塁打、7打点と量産ペースを大きく落としており、ゴールドシュミットが本塁打でも1位に躍り出るのは時間の問題かもしれない。3部門とも安全圏とは言えないが、三冠王のチャンスは十分にあると言っていいだろう。
アメリカン・リーグでは2012年にミゲル・カブレラ(タイガース)が三冠王に輝いたが、ナ・リーグでは1937年のメドウィックが最後。メドウィック以降、ア・リーグでは1942年と1947年のテッド・ウィリアムス(レッドソックス)、1956年のミッキー・マントル(ヤンキース)、1966年のフランク・ロビンソン(オリオールズ)、1967年のカール・ヤストレムスキー(レッドソックス)、そしてカブレラと5人(6度)の三冠王が誕生したが、不思議とナ・リーグでは打撃3部門を制する者は現れなかった。もしゴールドシュミットが三冠王を成し遂げれば、リーグ85年ぶりの快挙となる。
ちなみに、打点が公式記録となった1920年以降、ナ・リーグでは3人(4度)の三冠王が誕生している。1922年と1925年のロジャース・ホーンスビー(カージナルス)、1933年のチャック・クライン(フィリーズ)、そしてメドウィックという顔ぶれだが、クライン以外がカージナルスの選手というのもゴールドシュミットと三冠王の不思議な縁を感じさせる。
チームの偉大な先輩に続くことはできるのか。レギュラーシーズン残り37試合、ゴールドシュミットの打棒に注目だ。
引用元 :mlb.jp photo – MLB Advanced Media