フィリーズがトムソン監督と2年契約 就任後65勝46敗の好成績で11年ぶりのポストシーズン進出

 日本時間10月11日、フィリーズはロブ・トムソン暫定監督と2年契約を結び、トムソンが正式に監督に就任することを発表した。今季のフィリーズは開幕から51試合を消化して22勝29敗となったところでジョー・ジラルディ監督を解任。トムソンがベンチコーチから暫定監督に就任し、111試合で65勝46敗の好成績を残してチームを2011年以来11年ぶりのポストシーズン進出に導いた。ワイルドカード・シリーズでは中部地区王者のカージナルスを2勝0敗で撃破。その手腕が認められ、正式に監督に就任することになった。

 トムソンは注目を浴びることが嫌いな人物である。今年8月に59歳の誕生日を迎えたとき、「誕生日を祝われるのは好きじゃないんだ」と話した。夏のある日、アリゾナでブライス・ハーパーが「ロブと一緒に戦おう」と書かれたTシャツを着て打撃練習をしていたときも嬉しそうな表情は見せなかった。「本当のことを言えば、私は野球ができればそれでいいんだ。私ではなく、選手と試合にスポットライトを当ててほしい」。それがトムソンのスタンスである。

 トムソンはヤンキースの球団組織で28年間(1990~2017年)を過ごし、うち10年間はメジャーでベンチコーチや三塁ベースコーチを務めた。2017年オフにジラルディが解任されたあと、監督の採用面接を受けたが、ヤンキースはジラルディの後任としてアーロン・ブーンを選択。トムソンはその時点で「メジャーの監督になる」という夢を諦めたという。しかし、ザック・ウィーラー、ニック・カステヤノス、ハーパーらフィリーズの主力選手が口を揃えて絶賛するこの男を他球団が放っておくわけもなく、フィリーズで「メジャーの監督になる」という夢を叶えることになった。

 前任のジラルディは選手たちに緊張感を与えるタイプの監督だったが、トムソンは愛想がよく、親しみやすいタイプの監督で、試合前にはクラブハウスで選手たちと雑談をする時間を作ることもある。トムソン就任後、フィリーズは最初の8試合に勝利し、16試合で14勝の快進撃。あっという間にポストシーズン争いに加わった。フィリーズのデーブ・ドンブロウスキー編成本部長にとって、トムソンから「暫定」の肩書を外すことは当然の選択だったというわけだ。

引用元 :mlb.jp photo – MLB Advanced Media

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この記事を書いた人

神戸出身。2001年、地元オリックスのスーパースターであるイチローのマリナーズ移籍をきっかけに本格的にMLBに興味を持つ。2016年に完全オリジナルのMLB選手名鑑を自費出版したことがきっかけでMLBライターに。2021年にはSPOZONE(現SPOTVNOW)で解説者デビュー。Twitter:@y_MuLB

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