ロイヤルズ・ウィットJr. 今季は遊撃のレギュラーに固定される見込み 早期契約延長の可能性も

 ロイヤルズで今季注目されるのが「ボビー・ウィットJr.はどこを守るのか」ということだ。メジャー1年目の昨季、20本塁打、80打点、30盗塁とパワー&スピードの面では見事な活躍を見せたウィットJr.だが、守備面では遊撃で守備防御点-18、三塁でも同-4と不安定さを露呈。その結果、データサイト「ベースボール・リファレンス」が算出する総合指標WARは0.8に過ぎなかった。守備に不安を残すウィットJr.だが、ロイヤルズのJ・J・ピコーロGMは遊撃手として育成していく方針を固めているようだ。

 現在22歳のウィットJr.は昨季メジャーデビューし、150試合に出場して打率.254、20本塁打、80打点、30盗塁、OPS.722を記録。わずか30四球に対して135三振を喫し、出塁率が3割に届かない(.294)など粗削りな部分もあったが、次代のスーパースター候補生として大器の片鱗を示した。アメリカン・リーグの新人王投票ではフリオ・ロドリゲス(マリナーズ)、アドリー・ラッチマン(オリオールズ)、スティーブン・クワン(ガーディアンズ)に次ぐ4位にランクイン。メジャー2年目の今季はさらなる成長と活躍が期待される。

 昨季のウィットJr.は正三塁手として開幕を迎え、5月中旬ごろから本職の遊撃へ。しかし、遊撃の守備指標がメジャーワーストレベルに低迷し、8月からは遊撃と三塁を兼任するような形となった。この点について、ピコーロGMは「我々は遊撃に定着してもらいたい。彼がメジャーの遊撃手を務められるということを疑ったことは1度もないんだ」とコメント。「去年は三塁と遊撃を兼任させたことが良くなかったのだと思う。なるべく遊撃に固定したシーズン終盤は上達していたからね」と遊撃に固定していく方針を明らかにした。

 今季のロイヤルズの内野陣は、遊撃にウィットJr.が入り、三塁にはハンター・ドージャーがレギュラーとして起用される見込み。二塁はニッキー・ロペスとマイケル・マッシーの争いとなるが、球団としては好守のロペスを内野のユーティリティとして使いたいという思惑があるようだ。一塁には強打のビニー・パスカンティーノが入るが、ニック・プラットが順調に成長すれば、一塁にプラットが入り、パスカンティーノはDHに回ることが予想される。

 なお、再建途上にあるロイヤルズは、来るべき黄金時代を担うであろう若手選手との早期の契約延長を考えているようだ。有力候補となりそうなのはブレイディ・シンガー、パスカンティーノ、ウィットJr.の3選手。ピコーロGMはこれらの選手との契約延長について「我々が議論していることだ」と話している。

引用元 :mlb.jp photo – MLB Advanced Media

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

神戸出身。2001年、地元オリックスのスーパースターであるイチローのマリナーズ移籍をきっかけに本格的にMLBに興味を持つ。2016年に完全オリジナルのMLB選手名鑑を自費出版したことがきっかけでMLBライターに。2021年にはSPOZONE(現SPOTVNOW)で解説者デビュー。Twitter:@y_MuLB

目次
閉じる