元捕手のティム・マッカーバーが心不全により81歳で死去 引退後はブロードキャスターとして活躍

 日本時間2月17日、現役時代に捕手として2度のワールドシリーズ制覇を経験し、現役引退後はブロードキャスターとして活躍したティム・マッカーバーが心不全により81歳で死去したことが明らかになった。マッカーバーは1980年シーズンを最後に引退すると、2019年までフィリーズ、メッツ、ヤンキース、カージナルス、ジャイアンツで解説者や実況を務め、2012年には「野球放送における殿堂入り」にあたるフォード・C・フリック賞を受賞。殿堂入り投手スティーブ・カールトンの女房役としても知られている。

 マッカーバーは現役時代、カージナルスとフィリーズを中心に1959年から1980年までプレー(1962年は出場なし)。メジャーリーグの歴史でも数少ない4ディケード・プレーヤーとなり、21シーズンで通算1909試合に出場して1501安打、打率.271、97本塁打、645打点、61盗塁、OPS.725をマークした。カージナルス時代の1966~67年には2年連続でオールスター・ゲームに選出され、特に1967年は打率.295、14本塁打、69打点、8盗塁、OPS.822の好成績でMVP投票2位にランクイン。1964年と1967年にはワールドシリーズ制覇も経験した。

 ボブ・ギブソン、カールトンという2人の名投手とバッテリーを組み、ギブソンは1968年に防御率1.12という驚異的な数字を記録。この年は極端な「投高打低」のシーズンだったことで知られるが、ギブソンの防御率1.12は現在もライブボール時代のメジャー記録として残っている。また、カールトンとはカージナルスとフィリーズの2球団でバッテリーを組み、特にマッカーバーのキャリア晩年にあたる1976~79年には専属捕手として、カールトンが投げる試合のほとんどでマッカーバーがマスクを被っていた。

 引退後はブロードキャスターとして活躍し、複数の球団で専属の解説者や実況を務めたほか、ABC、CBS、FOXで解説者を歴任。ワールドシリーズを24度、オールスター・ゲームも20度担当し、これは当時の新記録だった。FOXを離れたあともカージナルスでブロードキャスターとしてのキャリアを継続し、2019年シーズンを最後に引退。なお、放送ブースを離れたのは「新型コロナウイルスから身を守りたい」というのが理由であり、正式に引退を表明したわけではなかった。

引用元 :mlb.jp photo – MLB Advanced Media

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この記事を書いた人

神戸出身。2001年、地元オリックスのスーパースターであるイチローのマリナーズ移籍をきっかけに本格的にMLBに興味を持つ。2016年に完全オリジナルのMLB選手名鑑を自費出版したことがきっかけでMLBライターに。2021年にはSPOZONE(現SPOTVNOW)で解説者デビュー。Twitter:@y_MuLB

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