Rソックスに「恐怖の9番打者」誕生 若き長距離砲・ダルベック

 9番打者には通常、「第2のリードオフマン」と呼ばれるような俊足の選手や守備型の捕手・二塁手・遊撃手などが入るケースが多い。しかし、レッドソックスのアレックス・コーラ監督はそんな球界の「常識」に逆らおうとしている。今季のレッドソックスで9番に起用されるのはボビー・ダルベック。昨季80打数で8本塁打を放ち、今年のオープン戦でも16試合で6本塁打、長打率.821、OPS1.221をマークしている長距離砲である。

 現在25歳のダルベックは昨年8月にメジャーデビューし、9月上旬に5試合連続アーチを記録するなど、23試合で8本塁打を量産。「MLB Pipeline」のプロスペクト・ランキングで球団3位にランクインする有望株であり、新人王候補の1人として期待されている。「Bill James Handbook」では今季36本塁打を打つとの予想。「Baseball Prospectus」も28本塁打との予想を出しており、他球団にとって「恐怖の9番打者」となるに違いない。

 コーラが「9番ダルベック」の構想を持ち始めたのは、2月にアンドリュー・ベニンテンディを放出してフランチー・コルデロを獲得するトレードが成立したときだったという。パワーとスピードを兼ね備えるコルデロを8番に置き、続く9番にダルベックを入れる。才能豊かな2人に過度のプレッシャーを与えず、思う存分にポテンシャルを発揮してほしいというコーラの親心が込められている。

 今季のレッドソックスは新加入のエンリケ・ヘルナンデスがリードオフマンを務め、2番はアレックス・ベルドゥーゴ。中軸にはJ・D・マルティネス、ザンダー・ボガーツ、ラファエル・デバースの3人が入り、ハンター・レンフローが6番、クリスチャン・バスケスが7番を打つ予定だ。コルデロとダルベックが下位打線で自慢のパワーを発揮すれば、上位から下位まで迫力満点の強力打線が完成する。

 「Stathead」のデータによると、9番打者によるシーズン最多本塁打記録は1996年のケビン・エルスター(当時レンジャーズ)による21本。ダルベックがこの記録を塗り替えることができるか注目したい。

引用元 :mlb.jp photo – MLB Advanced Media

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

神戸出身。2001年、地元オリックスのスーパースターであるイチローのマリナーズ移籍をきっかけに本格的にMLBに興味を持つ。2016年に完全オリジナルのMLB選手名鑑を自費出版したことがきっかけでMLBライターに。2021年にはSPOZONE(現SPOTVNOW)で解説者デビュー。Twitter:@y_MuLB

目次
閉じる